みずほたんと言うなかれ

7/16
前へ
/16ページ
次へ
「えっ⁉ みずほ先輩、何かひらめいたんすか!」 「うん、たぶん当たってると思うけど……説明していい?」 「はいっ!」 正直、俺は驚いた。みずほ先輩は瞬時に謎のひとつを解いてしまったというのか。 「『10』と『6』の数字がついたふたつの丸だけどね、文中には『飛び散る汗はまるで宝石のよう』って書かれているわ。キラキラマークが付いているし、あたかも宝石を連想させようとしているじゃない」 「なるほど。――あっ、もしかして数字は『誕生石の月』を表しているってことっすか」 「さすがね、かつき君。でももしそうなら、どの宝石になるのかわかるかな?」 「待ってください、すぐ調べます!」 みずほ先輩と俺はふたりで顔を寄せてスマホの画面を覗き込む。検索したところ、10月がオパール、それに6月がパールだった。 「って、ぜんぜん意味が分からないっすよ」 「ああ、それなんだけどね、誕生石には和名があるのよ。ちなみにオパールは『蛋白石』、パールは『真珠』だったよね」 「蛋白石、真珠――あっ!」 正直、驚いた。 そう、俺はそのに心当たりがあったのだ。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加