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「えっ⁉ みずほ先輩、何かひらめいたんすか!」
「うん、たぶん当たってると思うけど……説明していい?」
「はいっ!」
正直、俺は驚いた。みずほ先輩は瞬時に謎のひとつを解いてしまったというのか。
「『10』と『6』の数字がついたふたつの丸だけどね、文中には『飛び散る汗はまるで宝石のよう』って書かれているわ。キラキラマークが付いているし、あたかも宝石を連想させようとしているじゃない」
「なるほど。――あっ、もしかして数字は『誕生石の月』を表しているってことっすか」
「さすがね、かつき君。でももしそうなら、どの宝石になるのかわかるかな?」
「待ってください、すぐ調べます!」
みずほ先輩と俺はふたりで顔を寄せてスマホの画面を覗き込む。検索したところ、10月がオパール、それに6月がパールだった。
「って、ぜんぜん意味が分からないっすよ」
「ああ、それなんだけどね、誕生石には和名があるのよ。ちなみにオパールは『蛋白石』、パールは『真珠』だったよね」
「蛋白石、真珠――あっ!」
正直、驚いた。
そう、俺はその名前に心当たりがあったのだ。
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