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まるで百貨店のような洒落た吹き抜けエントランスに立ち、壱花は喜ぶ。
「いや~、すごいですね、今どきのこういうフェリー。
まるで世界を巡る豪華客船のようじゃないですかっ」
そう言うと、倫太郎が冷ややかにこちらを見て、
「お前は乗るなよ、豪華客船。
絶対に事件が起こりそうだから」
と言う。
冨樫が船内の充実した施設を見回しながら、
「社長。
風花が乗ってれば、どんな船だって、事件が起こりますよ」
という不吉な予言をしていたが。
もちろん、それは当たっていた――。
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