2人が本棚に入れています
本棚に追加
時が経ち私は、5歳となった。神様は、確か魔法も全て本で解決すると言っていた。しかし、此処は、魔法に関しての本は、ディランの部屋だし世界についてならステラに頼んだから読ましてくれる。
文字が読み書きが出来るようになるまでかなりの時間は、かかったけど…本は、やっぱり面白い。他の世界の歴史とか最高ではないか…にしても
「やっぱり悪魔について此処によく書かれているな…」
鏡の悪魔。夜の悪魔。湖の悪魔…などなど妖精や聖獣、精霊であろう生物も悪魔だと記載されている。要するに間違った事を書いているのだ。下手すれば、魔王だって悪魔だの言いそうだな…
人と異なる生き物は、みんな悪魔だと言いたいのだろうか?バカなの?
「妖精と精霊も聖獣も聖なる生き物なのに…」
悪魔というのは、私も見た事ないから偉そうに言えないけれどね。でも生まれたばかりの赤子を外に出しては、ならないのは、感染者予防のため。特に夜は、冷える。風邪を引いたら医療が発展してないこの世界は、大ごとなのだろう。
そして、鏡を見せたらダメというのは、この世界の鏡を見て納得した。
私が当たり前のように見ていた鏡と異なり歪みが多く写りが悪い。ガラスが悪いのか中の銀メッキが悪いのか…これを見た普通の子供は、きっと泣く。
「お母さん」
「何?」
「悪魔ってどんなの?ツノが生えてるの?」
「ん〜…お母さんも見た事ないので、詳しいことは、解りませんが…私の母…貴女にとってお祖母様は、ツノがあって牙があると言っていましたよ」
噂や伝承しか無いってことか…きっと悪魔=魔族の可能性も高いかな。って事は、私の婿は、ツノが生えたイケメンだろう。
「お母さんは、なんでも知ってるね!」
「当然です。私は、元聖女ですから………っは!」
「ん?どうしたの?」
ステラは、私の手を握りにっこり微笑んだ。え?なんか怖…
「キアラ。今から教会へ行きましょう」
「教会?」
「そうです。5歳になれば皆さんは、魔力と天職を見ることが出来ます。将来どんな職業へつくべきか解ります」
「解ってもその職へ行かないって選択は、あるの?」
「無いです。天が導いてくれた職です。逆らう事は、出来ません」
天が決めた職業…っか…だからディランは、明らかに向いてない職業なのに彼処まで頑張っているのか…運命に逆らうことが出来ないとなると赤い糸も誰も断ち切ることが出来ない。
私の運命の人は、魔王。だから職業も魔王と匹敵する職業になるのかな?相手は、王なんだからお姫様かな?いやそれだと両親が王族か何かじゃあないとならないし…衛兵と元聖女だからお姫様は、無理ゲーかな…
「キアラは、賢い子なので、きっと良い職業になるでしょう」
「そう言って…お母さんの期待に応えられないかもだよ」
「フフフ…キアラが一生…困らない職ならお母さんは、幸せです」
一生困らないか…もし私より先に勇者が魔王と出会ってしまったら魔王は、死んでこの世界は、終わる。かと言って私が魔王と出会うとこの世界は、平和になるが一生両親に会うことが無いかも知れない。
「キアラは、何になりたいのですか?」
「私は、お母さんとお父さんが幸せになるなら私は、どんな職業でも良いよ」
あの人達と違う…それがハッキリ解ったよ。前世の私の両親は、クソだった。これが愛。でも良い子すぎたらまた同じことになる。でも悪い子になれば悲しませてしまう…そんな事まで考えている私がいる。ちょうどよく距離を取りちょうどよく生き続ける…善にも悪にもならない。そうすれば普通の家族になれる。
「でもキアラは、いつも本ばかり読んでいて、友達が居ないのがお母さんは、心配です。たまに外で遊んで友達を作ってください」
「と…友達は、必要無い。本があればいいもん!」
それに人は、裏切る。特に友達と言う存在は、みんなそうだ。本は、裏切らない。勉強は、裏切らない。頑張れば、頑張るほど成果が出る。
「支度も終わったので行きましょう」
「はーい」
ステラの手を握って外を歩く…外…眩しい。太陽…眩しい。こんな可愛い服を着てステラも可愛い服をして…オシャレをして…我が母ながら可愛い。流石、元聖女!美しい!
「ほら外も良いですよね?太陽!風!草や花の香り!鳥の声!ほら素敵でしょう?」
光属性すぎて眩しい!浄化される!え?何?突然…歌い出したりしないよね?怖…
「へ…へへ部屋の中でも感じるよ。お母さん」
「あら、部屋の中じゃあこんな太陽の光を感じらません!それに運動すると気持ちいいですよ」
「眩しいだけだし…運動なんて疲れるだけ」
「ごもっとも!」
そこ納得したらダメでしょ?でもまーお母さんが楽しそうでなりより…
「お母さんも運動が苦手じゃん」
「聖女ですからね。でも苦手でも頑張れば、身に付きます」
「それで友達ができるの?」
「やって見ないと解りません」
やって見ないと解らない…っか…でも怖い。
「どうして、そんなに怯えているのですか?」
いつの間にか震えていた。深呼吸をして
「何でもないよ」
そう言って微笑んだ。ステラは、困った顔で、私の手を強く握り
「無理は、ダメですね。少しずつキアラのペースで、やれば良いです。キアラの良いところを見つけてくれる素敵な友達がきっと現れますので、ゆっくりゆっくり無理せず…ね?」
「……うん」
焦らずゆっくり無理せず…諦めたらダメ…負けだと思ったらダメ…なんかステラって聖女らしくない時がある。でも、それが良い。
最初のコメントを投稿しよう!