プロローグ

1/6
前へ
/6ページ
次へ

プロローグ

 遠い昔の話。私は、お父さんお母さんがいて美味しいご飯を食べてただ、ただ幸せな夢を見た。  でも現実は、違った。美味しいご飯が出てもそれは、コンビニのお弁当。お母さんは、何時も派手な服を着て出掛けていた。仕方がない。私の家は、貧乏で生活をしているだけで生きていくだけでやっとなのに料理も家事も出来ない母親。お酒ばかり飲んでニートの父親。帰るだけで嫌だった。だから私は、大人になって家を出た。 「夢見さん。今年も実家に帰らないの?」 「ええ。初めは、帰っていたけど、“お金を出せー”など“料理をしろー”だの言われて、やらなかったら私の財布から全額抜かれたから絶対に帰ってやるもんですか!」 「でも電話とか…かかってのかいの?」 「スマホの番号を変えてから教えて無いし、住所も教えて無い」  私は、そう言って会社から出て行った。親に愛された記憶がない。でも、殴られたりと言った虐待されたこともない。私は、ただそこにいるだけで…世話したいるペットと同等の扱い。だから、あの人たちにとって私は、親子とは、ほぼ遠い。 「お盆休み…何やろうかな」  お盆休みが終われば、次の問題は、年末年始。大型連休になりと嫌になる。どこも親子で楽しく…って意味がわからない。だから年齢=恋愛未経験歴なんだよな。 「パパ!ここに行こ!」 「キャンプ?お前、虫が嫌いだろ?」 「だけど、リカちゃんがーーー」  キャンプ…ソロキャンとか良いかも知れないけど私も虫が嫌い。ムカデとか出たら泣く。そもそも何やってもダメダメ私なのにソロキャンとかダメでしょ… あー…体が辛っ…!今日の仕事忙しかったからな…帰ってお風呂に入って…寝て…また仕事に行って…私の人生つまらないわ… 「危ない!」 「ん?」  目の前にトラック…あ…これ死んだわ…つまらない人生だったけどしあわせになりたかったな…
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加