其れは突然のコトで

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其れは突然のコトで

「今日から貴方様は聖女でございます」 「は?」 「ですから・・・」 「今日から私は『聖女』とかって言いました? 聞き違い?」 「いえ、仰る通りで御座います。貴方様がこの国の聖女として選ばれました」 「はぁ・・・?」  白い裾の長い*キャソックのような詰め襟の服を着た白い髭を生やしたお爺さんと、ピラピラの薄衣でできた*キトンの様な服装の女性達が大勢私に向かって傅いていた。 「はあ? 冗談じゃないわよッ」  私はそこに居並ぶジジイと女性達に怒鳴った。 「今日は記念すべき彼との初デートだってのになんだってア・タ・シが聖女なんかになんなくちゃいけないのよーーーーーー!!」  高い天井の大ホールに私の叫び声が響き渡ったのである・・・ −−−−−−−−−−−− *キャソック(カソック) カトリック教会の司祭平服色は黒が多い。 *キトン 羊毛や麻で作られた、ギリシャ時代の女性の服装。
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