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『ミナ、兎に角落ち着け』
ああ、祥君がイケボで喋ってる〜!
普段はLINEだからね。声は聞けないんだよ〜!
『じゃあさ、そっちに行くから。待ってて』
「「「「「え?」」」」」
目の前の王族とお爺ちゃんの目が点になる。
何かが割れるような『ビキビキッ』という音と共に部屋のど真ん中が輝いた。
「おーまーたーせー!」
目の前に白いシルクのキトンを身に纏い、羽根飾りの付いた錫杖を持った金髪翠眼の美女が立っていて、その横に黒ずくめのライダースーツみたいなのを着た、背の高っかい薄い茶髪の男前が立っている。
「祥君! ママ!」
私はソファーから立ち上がって翔君とママに飛びつく。
「うわ~ん、良かった、迎えに来てくれたんだー!」
「当たり前でしょう! ア・タ・シの娘を拉致するなんて。どういう了見なのかこの世界の神様を問い詰めとくから、ちょっとだけ待ってなさい!」
ママの目が座っちゃってるよ。あ、消えた。こうなると誰にも止められない・・・
「祥君ゴメンねせっかくのデート遅れちゃって」
「大丈夫。ミナのせいじゃないから。コイツらのせいだろ?」
祥君がそう言いながら、部屋にいっぱいいるイケメンと、白髪のお爺ちゃんを睨んだ。
イケメン王族は口々に『不敬な!』とか言ってたけど、突然現れたママと祥君が怖いのか近寄ってこないみたい。あー良かった。
ホッとしたら祥君が肩をギュッてしてくれて違う意味で驚いた。
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