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「お前ら、俺のミナを拐ったりして。絶対に許さんからな」
「!!」
な・ん・だ・と?『俺のミナ』なんて素敵な響き!
「祥君・・・ 嬉しい!」
思わず彼の胸に飛び込んだ。この際ギャラリーがいようがなんだろうが構わないよっ! イケメン軍団が何か言ってたけどしーらないっと!
「しかしながら、召喚の儀によって選ばれた乙女ですので、我が国の『聖女』に他ならないのです。ミナ様はこの国にとっては大事なお方、そのような拐うなど滅相もございません」
白髪のお爺ちゃんの言い分はわからなくもないけど、どう考えても誘拐だよねっ!?
「来たいってお願いしたんじゃないじゃん! そっちが適当に私を選んだんでしょうがっ!」
「適当では御座いませぬ」
神官長という役職のお爺ちゃん曰く、この世界の瘴気を祓うことができる神力を持つ未婚の乙女で、人族である事が条件とされているとのこと。
尚且王族と婚姻を結んでも困らない家族構成を条件にしたというお爺ちゃん。
「ですので、王子と婚姻を結んでも何の支障もないはずなのです」
ドヤ顔でそういうジジイと、おまえら赤ベコか! と言いたくなるくらい頷いてる王子達。
あほかーーーーー!!
「そんな条件づけだけで良いわけじゃない! 実際にアタシには祥君というれっきとした想い人が居るんだから!!」
あ、祥君がめっちゃ嬉しそうにしてる〜!
それを見てむむうと額に皺を寄せ、考えるお爺ちゃん。
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