そして世は事も無し

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そして世は事も無し

「ミナー! 祥君が迎えに来たわよ〜」 「は~い!」  今日はこないだの仕切り直しでディズニーランドへ行こう! と、2人で約束をした。恋人同士になってからの初デートだ!  こないだのコトがあってから、出掛ける時は祥君が家までお迎えに来てくれるようになった。  幸せすぎて鼻血が出そう〜〜!! 意地でも祥君の前じゃ出さないけどね!  だって恥ずかしいじゃん。 「「いってきま~す」」 「いってらっしゃ~い」  今日もカッコいい祥君と2人仲良くエレベーターに乗り、ママに手を振った。  手を繋いだまま1階のボタンを押して、いい天気になって良かったねと話していると・・・  B1階のランプが点滅して消えてしまい・・・  エレベーターのドアが開いたら、綺羅びやかなプリンセスドレスを着たお姫様が立っていて静かに笑顔でこう言った。 「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。今日から、貴方様は『勇者』でございます。そして魔王を倒していただいた暁には私を娶り、国王となっていただきます」  祥君が白目になり、私はスマホに向って叫んだ。 「ママー!助けて!祥君がお姫様に取られちゃうよおおおおお!!」 ―了― 『は?もう一度言っていただけますか?』 by.hazuki.mikado
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