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「兎に角、ア・タ・シは聖女なんか嫌です。早く返してよ! 初デートに遅れるじゃんか!」
「でーと?」
お爺ちゃんがそう言いながら首を傾げたと同時に部屋のドアが『バーン』という音と共に開く。
そこには俗に言う、イケメンが勢ぞろいで立っていた。
金髪、赤毛、茶髪、あ、紫とかピンクとかもいやがる・・・ 異世界あるあるだなあ。
「神官長、聖女召喚に成功したらしいじゃないか!」
「で、この娘が聖女か?」
「「うーわ、かわいいじゃん」」
「お嫁さん、カワイイね」
うううぅ〜・・・
「うるさい!」
口々に喋るイケメン集団に思いっきりキレる私。
多分コイツ等がお爺ちゃんの言ってる王族だろう。
イケメン度が半端ないもん。
しかしながらイケメンなら何しても良い訳じゃないぞ!
こちとら拉致被害者だからねっ!
「聖女様、そう興奮なさらずに・・・」
お爺ちゃんが、まあまあといった感じで、その場を穏便に納めようとする。
誰が聖女だっ!
その時サコッシュの中でスマホが鳴った。
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