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ええ、件の措置につきましては、
彼のあまつきつねの方も憂えておいででした。
その眷属である手前もまた気に掛かけておりましたが、指を咥えて眺めるだけの日々……夏炉冬扇の誹りを免れぬと重々承知しております。
いつまで赦されるのでしょう――見て見ぬふりで済ますのを。
ただまどろんでいたいだけ……無情な遺棄の代償に、あのあたたかな泥に包まれ、胎児のように眠りたいだけ――そのあえかな願いの閨に、災厄を撒き散らすようなこの所業を、いつまで続けていられるのでしょう。
否。斯様な非道、端から赦されてなどおりませぬ。
なれど、他に術持たぬ手前どもは、今日も飽かずに放り込むのです。
果ててなお地平を焼き尽くさんと蠢く、怨念の塵芥を――
あの韓紅の壺の奥へ。
――あるいは彼女らの見聞こそが、この閉塞を穿つ一条の光になると?
なれば、尊き今ひとときを拝借し、謹んで具申つかまつりましょう。
忘れたのは、なにか?
忘れたのは、いつか?
忘れたのは、どこか?
忘れたのは、だれか?
忘れたのは、なぜなのか――
思い出したとてそれすらも、風車の回る束の間に、忘却するがいのちの定め。
であればこそ、御縁は廻り、花は咲くのでございましょう――
それが奈落の果てだとしても。
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