アラジン・インセイン

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「えええ、詐欺って......人聞きの悪い......。願い叶った後の皆様の身の振り方や未来設計のアフターフォローまでは出来兼ねます当方と致しましては。財を成して尚のこと徳を成せぬ欲深き煩悩の民は補償外対象で御座います」  魔人は解放された喉を揉みながら答えた。 「ふざけんな! 自業自得までセットになった地獄行きプランじゃねえか。あれからのさばっている悪徳業者はオマエだけじゃねえぞ。『ドーン!』って指差して驚かす不気味なメタボリック黒服オヤジや、ポケットから都合の良い道具出す青い耳無しデブ猫や、七つの玉を集めたら誰にも同じように特典を叶える龍っぽい奴や、望みの代償に『契約して魔法少女になってよ』っていう白イタチ擬きがどんだけ跳梁跋扈して世の中を混乱させて来たと思ってんだよ!」 「ええええ、二番煎じの輩の責までこちらに問われましても。当方としましても独占市場にライセンスもなく参入して来たビジネスモデル特許侵害した無法者連中には手を焼いている訳でして......お察し頂ければと」  稲妻魔人は手を揉みながら上目遣いで伺う。 「結局オマエ等の最終的な望みはなんなんだ? こんな事やってる理由を教えろ!」  アラジンの子孫は問う。
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