アラジン・インセイン

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「あの方ってのが黒幕なのか、どこのどいつだ?」 「その質問の答えが三番目の願いと捉えて宜しいでしょうか?」  魔人は窺う。 「ちょ、ちょっと待ってくれ」  ジュニアは焦る。 「当方の二番煎じの悪徳業者なら、チョッマテヨも願いの一つとカウントしますよ。まあアラジン家様とは唯ならぬ御縁が御座いますから幾らでもお待ち致します」  組織のエージェントとしては黒幕の解明が優先すべきプライオリティであるが、ジュニアは長らく待ったこの機を想い描き脳内シミュレートしていた際に、自分ならこう言うと考えていた究極の願いがあった。最初は永く続くこの第三次世界大戦を終結させる事を願おうと考えていた。侵略や先制攻撃を仕掛けた独裁者や指導者の多くは死亡したり代替わりしていて崩壊した国家も多いのに大戦は終わらない。彼はこれは過去の今までと同じ文明の滅亡パターンだと読んだ。魔人の黒幕は現代人を粛清し、また新しいゲームをコンティニューする心算だろう。願いによって黒幕の正体が分かったところで不可侵な存在だろうから人類には手も足も出せない。もしも魔人に黒幕を殺してくれという無謀な願いが届いたとしても同業他社も暗躍している混沌の状況下では焼石に水だ。彼はずっと熟考して来た。今の目の前にある war is over を願うだけでは決してハッピー・クリスマスは訪れない。その願いじゃ駄目なんだと。もっと魔人を超えるイマジンを追求しなくてはと。
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