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「そうかい?じゃあ、僕が一からコーチしてあげよう。なに、僕は一流の教師でもある。既にひとり、優秀な生徒がいるんだ」
「け、結構です…」
そうやって誰それ構わず口説こうとするのだ。周囲から白い目で見られようがなんのその。本人なりに紳士を貫いている。それほどまでに異性に熱心なのだ。その情熱を天使にも向けてくれればいいのに、とレイヤは思った。
コネクタはハッカに夢中だ。どうにか親しくなろうと一方的に会話を重ね、そのせいで時が経つのを忘れてしまった。ある時、はっとして使命を思い出した。
「…おっと、いけない!これから大事な仕事があるんだった。では、ハッカちゃん。僕はこれで」
「そうですね。あ、ちなみに仕事ってなんですか?」
「秘密、かな。君を危険に巻き込むわけにはいかないからね。ごめんよ!」
そう告げてコネクタは玄関口から飛び出していった。ようやく面倒が消えてくれた。ハッカは心なし嬉しそうだ。マリアは彼女に同情した。二人して同じ心境だったのだ。
レイヤは、初対面からコネクタをいけ好かなく思っていた。けれど、彼の仕事には興味があった。
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