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まもなく鷹型天使が襲いかかってきた。猛禽類の鷹をモチーフとしたその天使は、人間の力では到底太刀打ちできるものではなかった。縦横無尽に宙を駆け巡るその姿は、さながら戦闘機であった。
レイヤは、窮地の中でもためらった。天使を戦いの道具にしたくなかった。しかし、この場はやむを得ない。
「乱暴なヤツだぜ…!だったら、オレも乗ってやるよ!この街の流儀とやらにな!」
その時、一陣の突風が吹いた。炎をまとった風、火風だ。鷹型天使はひとたまりもなく燃え上がった。突然の出来事にハッカはもちろん、アラシでさえも息を呑んだ。自分の天使を一蹴されはしたが、それでも思わず目を見張るほどだ。
「テメェ…!なにしやがった!?」
「さぁな。オレの天使は、シャイなんだ」
「天使だと…!?そんなもん、どこにもいやしねぇ!」
「アラシって言ったっけ。オマエなら知ってるだろ?Dr.サイハの家」
「…チッ!」
アラシは大層機嫌を悪くした。自分から勝負を挑んでおきながら、おめおめと逃げ果せた。ただ、この程度で引き下がる彼ではないとハッカは思い知っていた。更に気を利かせてレイヤにこう教えた。
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