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夜、灯りを消してベッドに入りますと、窓から月の光が差し込んで、部屋の中がぼうと青白くなりました。大きな鏡には、その青白い光のせいで部屋の中のものが映って見え、その中に私の姿もありました。私は自分が自分でないような、そんな心持ちでおりました。そして、奇妙な事に、誰かが自分を見ているかのような気配を感じました。洋間ですので、ドアを閉めてしまえば一人きりのはずですのに、何故だか私は、それも私の想像の世界の事でございますけれども、旦那様が見守って下さっているような気がしたものです。
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