ガーデニングを始めました

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今日から私は頑張ってガーデニングしていきたいと思います。種を植木鉢に植えていきたいと思います。 ポンッ はい。今日のガーデニングは終わりですか?終わりですかー? 終わりですかー? 「終わりではありません。」 植木鉢が言いました。 「水をかけなさい。」 植木鉢が言いましたが私はいうことを聞く気がありません。 「何でお前のいうことを聞かなくちゃいけねんだー!!」 私は植木鉢にパンチをしましたが、植木鉢は硬かったのです。 「何でパンチするのよ。」 植木鉢は泣きました。 「ごめんよ。ごめんよ植木鉢〜。俺が悪かったよお!!」 私は突っ伏して植木鉢に抱きつきました。 「悪かったよお〜。俺が悪かったよお〜。」 「うぅ〜わかってくれればいいのよお〜。うぅ〜。」 植木鉢の涙で土は湿りました。これで今日の水やりは終わりです。 次の日もガーデニングをするのです。だって毎日ガーデニングをすることにしたんですもの。 「えぇと、今日は何をすればいいのかな?何をすればいいかなー!!」 「今日も水やりをする必要があるのよ。」 植木鉢がいいました。 「なんだてめぇ。また指図すんのかよ!!植木鉢のくせに調子に乗んなよ!!」 バキッ 私は植木鉢にパンチしました。 「な、何で殴るの?何で殴るのよお〜。」 植木鉢は再び泣き出しました。 ああ、またやってしまった。私は昨日のように抱きつきました。 「うぅ、俺が悪かったよお。本当にもうしないよお!!」 「うぅ、うぅぅうぅ...わかれば、わかればいいのよお。もうしないって約束よお。」 植木鉢の涙で、鉢の土は湿りました。 そんなことを繰り返しているうちに、植木鉢からにょきにょき生えてきました。これぞ、ガーデニングの醍醐味だー!!私は感動し、その植物をたかしと名付けました。 にょきにょきにょきにょき、緑色の美しい芽がどんどん育っていきますが、私は相変わらず鉢植えを殴って水を与えていきました。 バキッ 「何で殴るのお〜。」 「ごめんよもうやらないよ〜。」 「わかれば、わかればいいのよ〜。」 にょきにょきにょきにょき そんな感じでたかしは成長していきました。ある日のことです。私はいつものように鉢植えを殴って涙を流していましたが、たまにはたかしにも話しかけてみようと思いました。 「たかし。お前、毎日水もらってよ。感謝の言葉も言えねえのか?」 たかしは何も言いません。ただ葉っぱをゆらゆらさせていません。 「おいたかしぃ。なんか言えよ!!」 バシッ 私は我慢できずにたかしを叩きました。しかしたかしは何も言いません。『ツッ!!』みたいな声もあげませんでした。これは変ではないか....。私はゾッとしました。なぜ植木鉢がしゃべるのに植物はしゃべらないのだ。 私はもう一度たかしを殴りました。 バシッ!! たかしは相変わらずゆらゆらしているだけです。こんなのおかしい。おかしいでしょう?植木鉢がしゃべるなら植物も喋らなきゃおかしい。何なんだこの世界は.....。おかしい....。おかしい世界に来てしまった。植木鉢よりは植物の方が喋りそうなのに喋らないなんてどうなっているんだ.....。なんなんだ、何なんだこの世界は。植物が喋らないなら、植木鉢も喋っちゃダメだろう。なんなんだよ....頭がおかしくなりそうだ.....。 「間違ってる.....。この世界は間違っているよ....。おかしい....おかしい世界だ....。なんで植木鉢が喋るのに植物が喋らないんだ!!うわあ!うわああああああああ!!」 「ちょっと、どうしたの?どうしたのよ??」 植木鉢が言いました。 「うわああああああああああああ!!」 私はもう二度と普通の世界には戻れませんでした。 完
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