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ボサノヴァが低く流れる喫茶店に、私は滑り込んだ。彼は、それに気がついたようだった。
休日の午前中の店内は混んでいた。浅岡さんがカウンターで飲み物をオーダーしている間に、頭のはねた、若いイマドキのカップルが窓辺の席を立ったのを、私は見逃さなかった。私はサッとそこに学生カバンを置いて陣取る。
若いイマドキのカップル……とは云えども、この春から高校2年生である私の方がずっと若いのだけれど。16歳の私と、24歳の浅岡さんはカップルに見えるのだろうか。なんて思っていると、浅岡さんが戻ってきた。
浅岡さんは、自分のいつものブルマンと、私のいつものホイップつきのアイスココアを、マホガニー調の丸テーブルに置いてくれる。頼んでもいないのに、ちゃんと“いつもの”を選んでくれる、浅岡さんが好きだ。
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