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総ては巡り合わせだ。
お陰で私は、生まれて初めて、恋という、大切な感情に巡り合えた。
ぺらり、と浅岡さんは新聞をめくった。
窓の外からの日射しに包まれて、さらさらの彼の髪が、天使のような金に近い色になっている。
浅岡さんは、とても色素が薄い。天然の栗色の髪の毛、女の子のような白い肌、目の色はセピア色をしている。
今は、その目を確かめられずにいるけれど。そこだけはぷっくりと朱い、唇は閉じられていて、目は新聞に夢中なままだ。
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