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そう言ってコーヒーカップを手にし、香りをじっくりと嗅ぎ、口にした。美味しい、という代わりに、彼はひとりでうん、と頷く。
「何よ。イマドキ化石じゃないですか。赤外線もできないだなんて。時代はスマホですよ」
「化石でも、使えるよ」
「デコメできないじゃん」
「普通にメールはできる」
淡々と私の口撃をかわす浅岡さん。
「普通にできてないじゃん」
私はアイスココアに乗っているホイップを、ストローでぐちゃぐちゃにかき回した。白くて泡のようだったホイップは、形がなくなると、ココアの色を乱していく。
「普通にできるよ。絵文字だって使えるし。……それにしても、板橋、何て送ったの? 目の前にいる人間に」
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