321人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
Lesson4
『別にいつものことですから。今さら気にしないで下さい』
「う"…」
『玲子さんの酒癖が悪いのだって、今に始まったことじゃないでしょ?』
「う"ぅ…」
『それにしても10年経っても変わらないんですねぇ?
人の酒癖って。もう28歳のいい大人なんですけどねぇ』
「…以後、気をつけます…」
昨日は晴海の家で料理をし、そのまま飲んで…
目が覚めると・・・自宅にいた。
自分はどうやって帰ったのだろうか。恐ろしいことに、記憶にない。
分かっていることはただ一つ…
また晴海に迷惑をかけてしまったということのみ。
恐る恐る、お謝りの電話を入れてみる。
「本当に、常日頃ご迷惑ばかりおかけしてしまい誠に申し訳ございません…日々精進致します」
『あははっ それも何度も聞きました♪』
ちょいちょい耳につく嫌味を含んだ晴海の言葉に、何一つ言い返せない。
最近、晴海に甘えすぎている。
晴海が支えてくれるのが当たり前で、自分の生活がそれで成り立ってしまっている。
ーー改めなければ…
『…いいんですよ。俺にはいくらでも甘えて下さい。言ったでしょ?俺なら玲子さん1人くらい、いくらでも支えてあげられますから』
「晴海くん… …仏か」
最初のコメントを投稿しよう!