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「…俺のにおいて、何ですか」
「ん~…イケメンのにおい?」
「バカなこと言ってないで…」
「好きだよぉ〜…晴海くんのにお、ぃ… …」
「… …じゃぁ、ずっとここにいてよ」
すぅっと気持ちのよさそうな寝息をたてて眠ってしまった玲子を見つめ、小さく呟いた。
自分はどれくらい、玲子に片想いをしているだろう。
最初に出会った時は、玲子には彼氏がいた。
一目惚れという訳ではなかったが、綺麗な人だというのが最初の印象。
サークルで顔を合わせる間に、裏表のない、飾らない玲子に惹かれて行った。
頭が良くて、気が効いて、誰にでも平等で…
もちろん、自分も周りと“平等”であったため、何とか玲子の視界に入りたかった。
特別になりたかった。
誰よりも近くにいれば、玲子の“特別”になれるのではないかと思っていた。
ーー何で俺が、奥澤高校に来たと思ってます?
…ずっと、一番近くにいるんですけどねぇ…
「いつまでもいい後輩のままじゃいられないですよ…玲子先輩」
気持ちよさそうに眠る玲子の寝顔に、呟いた。
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