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男のその声に、はっと現実へ引き戻される感覚。
寝ぼけた頭をフル回転させ、1番に頭に浮かんだのが...
「・・・報告書っ!!」
「は?」
ベッドから飛び起きると、自分を覗き込む男が慌てて身を避ける。
そのまま頭をぶつけてしまわなかったことに関しては、男の反射神経の良さに感謝すべきだろう。
その男の肩に体重を預けベッドを降りると、デスクのパソコンめがけて一直線に向かった。
ーーえーと、主任に報告書の締め切りが間違ってたって聞いて…
マウスを手早く動かし、パソコンが起動したところでふと気付く。
「晴海くん!メガネメガネ!」
「はーい♪」
視線を向けることなく男に手を伸ばし、メガネを受け取る。
スクロールしながら報告書にざっと目を通して...ひとつ、息をついた。
「はぁぁぁ~。よかったぁ~ちゃんと出来てる~!」
「へぇ。間に合ったんですか?」
「そーなのよぉ!昨日のうちに確認しなきゃ間に合わなかったのに、主任に飲みに連れてかれちゃってさぁ…
あ~でも、完璧だわぁ♪さっすが私~・・・・・・
・・・・・て、晴海くんっ!!?」
「はぁい?」
「な、ななな、なん...!何でうちにいるのっっ!?」
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