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「もう一度言います。有紀は僕の妻になる人です。二度と近寄らないで下さい」
藤次は右手を振り上げた。
「暴力で気が済むなら、お好きにどうぞ。貴方が警察に捕まってくれたら、僕としても心底安心できますし」
「男のくせに、拳を握ることもできんのか?」
「男だから、暴力を振るってはいけないのです。暴力は男らしさなどではありません」
洋史の顔を殴ろうとしていたらしい手は下ろされ、藤次は怒りに燃える目で睨み付けながらも、どう考えても自分に不利な状況を理解したのだろう、逃げるように離れて行った。
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