クローバーはふわりと嗤う

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   日に日にイタズラは増えていき、みんなが順に巻き込まれていった。不安定になっている由依に拓斗から「別れよう」とメッセージが送られ、パニックになった由依が自殺未遂を図った。幸い命に別状はなかったがふたりの仲は険悪になり、口も聞かなくなってしまったという。拓斗いわく、そんなメッセージは送っておらず、実際に拓斗の方の履歴にはメッセージの痕跡はなく、由依の方の履歴にしか残っていない。おそらく、これも千生のイタズラだった。  次は俺の番だと思った。一番千生と仲が良かったのに今まで何もしてこなかったから。だから呪われても、イタズラをされても、何をされても仕方ないと思っていた。そう、覚悟を決めて自分の番が来るのを待った。  しかしその時は訪れない。一向にいつまで待っても俺にはイタズラが降り掛かってこなかった。 『お前は元々好かれてたから』  相談した健志からはそう言われ、何も起きないのが一番だとそう諭された。確かにそうだけれど、でもなんで俺だけ。  そんなことで頭を悩ませていた時、グループトークにひとつの通知が着いた。由依からだった。 『踏み込んだからこうなったのかもしれないけど、でもそれだったら最後までできることをやりたい』  由依らしい優しく強いメッセージだった。それに全員が賛同し、とはいえ何をしたらいいのかなんて一般人の自分たちには分からず直接養母に会いに行き虐待の事実を聞き出して警察に突き出す、そのくらいしか浮かばなかった。稚拙な考え。だけどそれしかできないのなら、それをやるだけだ。
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