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「よし、これで高校デビューはバッチリね!」 鏡に映る、中学時代とはまるで別人みたいに輝いている自分に向けて声を発した。 入学式を終えて教室に入る前に、お手洗いの鏡の前でしっかりと自分の身だしなみを確認する。 お日様に当たればうっすらと茶色くなる髪の毛、コンタクトとアイメイクでパッチリとさせた二重まぶた、少し短めの丈のスカート。 しっかりと入学前から高校デビューに向けて勉強してきたのだから、きっと大丈夫! そうやって自分に言い聞かせながら、教室に向かおうとしたときに声をかけられた。 「あ、あなたも高校デビューするんですね!!」 どうやら先ほどの独り言を聞かれてしまっていたらしい。 鏡ごしに聞こえてきた、震えながらもどこか嬉しそうな声を聞き、わたしはゆっくりと後ろを振り返った。
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