(二)

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 そうして何回か男子が来た後、「ねえねえ、君たち新入生でしょ」と言いながら一人の男子が正面に座ってグラスを持ち上げて乾杯を促した。  私と友達二人は「そうでーす」と言いながら、そのグラスに自分たちの酎ハイのグラスをぶつけた。  そのとき、私はその男子学生の顔を見て気づいた。同時に向こうも気づいたみたいだった。その男子学生は、私の顔を見て「あっ」と声を上げたからだ。 「なになに? お二人は知り合い?」  隣の友達に言われて私は即座に「違う」と答えた。  彼も首を振っていた。 (続く)
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