タオ

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タオ

丘の上にタオという青年がいました。 タオは絵を描くことが得意で、土器の(かめ)や皿に絵をつける仕事をしていました。 タオは畑仕事をせず、朝から晩まで絵を描いていましたので、他の青年たちに比べるとひょろひょろに痩せていて、重いものを運んだり、畑を耕したりする力はありませんでした。 タオの周りでは毎日、子どもたちが遊んでいました。 大人たちは朝から畑仕事に行くので、小さな子どもをタオのそばに預けて行くのです。 タオは絵を描きながら、子どもたちがケンカやケガをしないように、見張り役をしていました。 タオは時々、子どもたちのために歌を歌ったり、楽しい遊びを考えて一緒に遊んだりしました。 子どもたちは、みんなタオが大好きでした。
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