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セクシー女王様《ニノVERSION》
「なんで起きた途端、ナポレオンの命令を聞かなきゃならないんだよ。ふざけるな!」
こっちだって気分よく寝ていたのに起こされて不愉快なんだ。
『言い訳は良いから。とっとと部屋を出ないと大変なことになるよォ。良いのかァ?』
脅かすような口ぶりだ。
「え、なんだよ。大変なことッてェ……。
だいたいどうしてボクが子供の世話をしなきゃならないんだ」
少なくともボクは子供を預かる保育士じゃない。
『フフゥン、早くしないとアリスが来るからさ。知らないよ』
「いやいや、アリスッて誰だよ?」
なんなんだ。コイツは。
知らないよッて脅しやがって。地元のヤンキーか。
『元セクシークイーンの姫乃アリスさ。『真夜中の恋人』だよ。ニノも毎晩のように、お世話になったことがあるだろう』
「ううゥ……、姫乃アリスだってェ?
マジか。あの日本一のセクシークイーンの姫乃アリスがここに来るのか」
なにをワケのわからない事を言っているんだ。そんなのはウソに決まっている。
しかしこの少年の自信満々なセリフを聞いていると不思議と本気にしてしまった。
『ああァ、アリスは他人に待たされることが大ッ嫌いだからね。マウント取られて顔面をボコボコに殴られたくなきゃ、さっさと支度をしなよ』
「ぬうぅ……、マジかよ」
半信半疑だが取り敢えず着替えをし朝食のパンを食べることにした。
けれども、のん気に食べている時間もない。顔面をボコボコに殴られるのは勘弁してほしい。アムロではないが、父親にだって殴られたことはないのだ。
『ほォら、下でアリスが待ってるから早く行きなよ』
他人の気も知らずワガママな少年はヤケに急がせてくる。
「なにィ……、頼むからゆっくり朝食くらい食わせろよ」
しかし取り敢えず急いで朝食を終わらせた。
不満だけれど万が一、姫乃アリスが待っていたらいち大事だ。
歯を磨き急いで出掛ける用意をし、マンションの駐車場へ降りていった。
「ううゥ……!」
ボクは駐車場で待ち構える彼女を見た瞬間、驚きのあまり小さく呻いた。
そこには、とんでもない恰好をした美女が真っ赤なオープンカーで待っていた。
「なんてカッコだよ……!!」
今にもたわわなオッパイがこぼれ落ちそうだ。
コンプライアンスギリギリだろう。
「フフゥン、なにしてんのよ。遅いわ!
この私を待たせるなんて百万年早いわよ」
いきなり巨乳美女に叱責された。
「ど、どうも申し訳ありません……」
別にボクが待たせたわけではないが、条件反射でペコペコと頭を下げた。
ボクは滅法、気の強い美女に弱いからだ。
それにしても何てファッションなんだろう。こんな格好で一般道をドライブして来たのだろうか。
美女は大きな女優帽を被って、水着のようなコスチュームを羽織っていた。
峰不○子も真っ青な圧倒的な巨乳だ。
しかもカラフルで彩り豊かなパレオを纏っているだけだ。
ほぼ水着と言って構わないだろう。
可愛らしいおヘソも丸見えだ。
今すぐ湘南海岸の浜辺で海水浴を嬉しむような露わな恰好をしている。
胸元が、はだけそうなほど大きく開いている。いや、どちらかと言えば見せる気満々だ。
こっちにしても見ちゃダメだと思っても、ついたわわな胸元を覗いてしまう。
間違いない。
彼女こそ先日引退した日本一のセクシークイーン、姫乃アリスだ。
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