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浅い呼吸で無駄口ばかり叩くそこへ、触れるだけのキスを交わす。
「早く言えよ。天才くんを次もサボらせたら悪いだろ」
「あ……僕、頭いいんです」
180度真逆なアホらしい発言に、思わず吹き出した。
「その顔、好きです」
「調子乗んなよ」
「この銀色の髪も、キラキラしてて好きです」
髪に指を通しながら降りてきた唇を、黙って受け止める。
「ふっ……ん、んんっ――……ッ」
歯列をなぞるように。舌を絡め取るように。抵抗する余裕すら奪うほどの軟らかな暴力で、一方的に口内を蹂躙されていく。
腰を撫で回すような感覚から逃れようとしても、それとは逆に、互いの興奮が擦り合って昂められる。
「ちょっ――ストッ……な、なせ」
好き勝手に暴れ回った舌から開放されると、艶かしい糸がプツリ、と滴り落ちた。
「どうですか? たぶん3回もすれば、先輩の手練手管を習得できると思います」
―fin―
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