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家の教育方針なのだと言っていた。
語学、IT技術、政治、帝王学、体術までもが、意味もわからず学ばされ詰め込まされた,と。情報操作や情報収集の技術を学ばされ使い物になった時は嫌な笑顔の父を見たと言っていた。良いように使われる。見たくない聞きたくない情報まで見せられ使い方を覚えさせられる。
確かに、律の家はIT関係の仕事を生業にしていた。…政治家や大企業を主として。
詰め込まれた後は、将来働くであろう界隈の縮図である学園に入って学んでこいと言われ放り込まれた。律は出来が良いと全てが前倒しにされ、高校から入る予定が中学になったそうだ。今の会社のCEOは律の叔父なのだそうだ。だから、律の従兄が継ぐと言ってるから自分はいらないと言っても取り付く暇はなかったと。
『樹と一緒の中学に行きたかったのに。知らない間に試験受けさせられてた!』
一緒に行けなくなったのが。一番堪えたと言っていた。
不謹慎ながら、そんなに一緒が良かったのかと思うと、自分が特別になった気がして胸があったかくなった。律の中には俺が居る。
どんなに駄々をこねたとしても応動学園に通うことは決定済みで覆ることはなかった。
十分使える技術、能力を取得してきたけど、律は家のために付けられた能力を嫌っている。
学ばないという選択肢を取り上げた家も嫌っている。
帰りたくないけど、すねをかじってる身としては呼び出しには応じなければならないと。
見送るしかない自分がもどかしい。
『おれが社長になるかなー。少しは息しやすくなるかなー』
意気込んでた。今では役職まで与えられてるみたい。あと少しだと笑っていた。
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