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転入生
昼休み、律が学校休む旨を伝える為に生徒会室へ顔を出すと涼が荒れていた。こんな涼初めて見る。
コソコソ玄の隣へ移動し内緒話するみたいに耳元で話をする。
「律、しばらく休むって……」
「了解。はぁぁぁ……」
「どうした……の?」
「あれ、なぁ。実はな……」
「はぁ? なんだ? あの転入生! くっそ最悪なんだが? 常識身につけてから来いっつうんだ!」
なるほど。様子を見てたら、転入生関係の話だとわかった。
「涼……激おこ……?」
「そうなんだよな。久しぶりに、あんな涼を見たわ」
「「へぇー? 何があったの?気になる!」」
「聞け! あの野郎、塀から飛び込んできやがった上に、その笑顔無理しなくていいんだぞ! とか、叫びやがって。無理にやってんだよ! くっそ。まだまだ外面磨かねぇといけねぇのかよ!お前は、外見何とかしてこいや! もじゃもじゃのかつらをワザと被って、今時便底眼鏡? しかも制服もだらしなく着てるとか。初日ぐらい、きっちりしてこい。仕方なく挨拶したら、親友だとほざくとか頭湧いてんのか? あぁ?その場に放り投げなかった僕偉い。よく理事長室に連れてった」
一息で言った。幼馴染である玄ですら引いている。悟と徹は好奇心で前のめりになって、俺は慌ててる。
結構カオス。
「こわい……」
「おっ、おぉ……お疲れさん。それ以上外面磨いてどうするんだよ」
「うぁ……ここまで怒らすとかある意味凄い」
「うぁ……ちょっとその転入生見てみたいな」
「「わくわく」」
「あ?んな事言われて、黙ったままでいられるか!磨くしかねぇだろ。あっ。しまった。忘れてた。理事長から転入生、面倒見ろってお達しだ。昼食は食堂行く。付いてくるか?」
「もち……」
「負けず嫌いめ」
「んだと?仕事して留守番してろや」
「あっあー! 俺も見に行くわ!」
「「気になるー!」」
のほほんと言ってられるのは今だけだった。
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