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食堂では大騒ぎになっていたのだ。転入生が親衛隊持ちの一匹狼くんや爽やかスポーツマンくんを侍らせ、見知った顔の手を繋いでやってきた。元ルームメイトの、今 茜だ。
「あっ! 涼! 待ってたんだぞ!」
「そうですか。申し訳ありません」
涼は、しれっと外行きの仮面をおざなりに被って言った。
「あれ、誰だ? お前ら? 俺は桐ケ谷 真砂希だ! 仲良くしろよな! 親友だろ!」
『あ、桐ケ谷真砂希だったな』と思い出して顔を見ようとした、彼も俺を見てたようで一瞬目があった気がした。すごい冷え切った目をしていた。
「お前、名前は? 俺は、桐ケ谷真砂希! よろしくな!」
「英……樹。よろしく……」
「お前話すの苦手なのか?俺はわかるからな!気にしなくていいんだぞ!俺がそばにいてやる!」
えっ、別に気にしてないのに。友好的な言葉を発しているのに……やっぱり目が怖い。
にこやかな俺から玄達にターゲットが移った。
何故か玄が、キスされそうになったり、双子を見分けて遊んだりとしっちゃかめっちゃかだった。涼が皆を食堂から逃してくれたので生徒会室へ駆け込むことが出来た。
息をついて周りを見渡すと悟と徹がいない。
「双子は?」
「えっ……さっきまで居たよ……?」
「どうなってるんだ」
何故か、嫌な予感がした。
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