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三日目
一体何が起こってるんだ。
桐ケ谷真砂希がやってきて三日。学園の空気がざわめいている。
筆頭は、生徒会の面々に風紀委員長に一年の一匹狼くんに爽やかスポーツマンくんを引き連れて騒いでいることだろう。授業はサボり出たとしてもクラスで騒いでいる。同じクラスである悟と衛は一緒になって遊んで、周りの人に迷惑をかけているようだ。涼はそれを諫めるが、諫めきれてない。
◇◇◇
「何故、悟と衛が桐ケ谷真砂希にこんなにも懐いている」か、茜に尋ねた。
彼は、一般家庭の外部入学をしたまじめな奴だ。今は、桐ケ谷真砂希に鉢合わせしないようにしているらしい。「気に入られたみたいなんだよな。意味わからん」と言っていた。
『あーあの食堂の一件でな。お前は途中で帰っんだっけ?』
『うん……うるさかった……から。涼が逃してくれた……』
『まぁ。正解だろうな。あー、話逸れた。小清水の双子の件だな。転入生が二人を見分けたってのは知ってるだろ? その続きだ。「お前達は別々の人間だからな! でも二人がいいなら一緒ならそれでもいいからな! 俺が一番の親友になってやるから安心しろ! そばに居てやるぞ!」だってさ』
『ふふっ…モノマネ……? ちょっと似てる』
『うるせぇ。似てるとか、それはそれで複雑だな……てか! そこじゃないだろ』
『うん……別々の……それなら、俺も律も玄も涼も思ってる…。知らなかったのかな。だったら、悲しい……』
『さぁな。そんな顔すんなよ。変わったタイプで面白がってるんだろ。一時的なもんだ』
しょんぼりしてたら、茜は、わしやわしゃと俺の頭を撫でた。撫でたと言うには、いささか乱暴で痛かったけど。彼の優しさだって解ってるから文句は飲み込んだ。
『そう……だよね……』
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