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律とは家のつながりで小さい頃から仲良くしていた。引っ込み思案な俺を手を引いて駆け回ってくれたのは律だ。すぐ大好きになった。 兄もいたが歳がはなれていたので、何を話していいかわからなかった。でも、律の従兄とは大学の後輩という事で、よく話してたように思う。 人懐っこい律は学校でも人気者で、賑やかでキラキラして皆が楽しそうに笑っていた。 そんな風に、いつも皆に囲まれてる律が、 『樹! 一緒に遊ぼ』 って声をかけてくれるのが嬉しくてたまらなかった。 『律! 何す……る……? げーむ? ほん?』 『ゲームの続きしよー』 二人でいるときは、物静かな律。そっ、とくっついてゲームや本を読んでいる事が多い。 『樹のそばから離れたくなーい。帰りたくなーい。学校行きたくなーい』 なんて不貞腐れ甘えた顔を見るのは自分だけ。今では、玄、涼、悟、徹、俺もいるから学校楽しいと言っていたが、実は小学校は苦手だったのを知ってるのも俺だけ。 『うん……お……れも』 『ふふー』 頭を撫でると、擦り寄って甘えてくる律が可愛くて仕方がなかった。 気付いたら甘やかす回数が増えていくと比例するように、何か言いたくて口を開くけど、噤んでしまう事が増えた。急かすのも嫌かなって、言ってくれるのをずっと待ってた。 その時は来た。やっぱり聞き出せば良かったのだろうか? 『あのね。樹。おれ。もう、いやなんだ。たすけて』 軽く考えてた自分を殴ってやりたい。
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