なぜ小説界隈はこんななのか

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なぜ小説界隈はこんななのか

  現代社会はストレスフルなので、人々は娯楽に対してストレスフリーなものを求めているんだそうである。  主人公が苦境に陥ったり、それを乗り越えたり、あるいは主要なキャラクターが死んだりするのは大変なストレスなので、娯楽小説からはそうした要素が排除されているんだと。  これはいわゆるなろう系(いわゆるなろう系という概念と個々のなろう小説はもちろん別なものである)が何故売れるのかという説明にはなっているが、それ以上の説得性は何もない。  音楽業界においては、ボカロ文化の担い手と、そこから生まれた新しい世代のクリエイターたちが大輪の花を咲かせている。  そこでは、いわゆるJPOPが避けて通るような、生きることの生々しい苦悩が遠慮なく描かれている。  例えばヨルシカがそうだし、adoなんかも一風変わってはいるが攻撃性の裏にあるのは現代人の苦悩だろう。  出版業界がリスクを恐れる傾向はだいぶ前からある。  ある部門に配属された編集者は、自分がそこにいる間にそこそこの成果を出そうとする。小さなリスクで小さな利益を確実に上げたいのだ。  出版業界どころか日本全体が不況なのだから、それは理解できることではある。  しかし我々アマチュアは、やりたいことをやり、書きたいことを書くべきだろう。だってアマチュアなんだから。最初から無駄なことを承知でしているんだから。  文学性とか芸術性とか大げさなことは言わないが、我々はリスクを抑える必要はない。ありもしないチャンスにしがみつくために、何を自粛する必要もない。  インターネットは作品の居場所をつくってくれている。  自費出版よりもはるかにましな形で、読者との出会いの機会を用意してくれている。  それを信じようじゃないか。        
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