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どこを見ても青いばかりの空の根元に純白の山が広がっていた。
空気は軽く、呼吸は心地いい。
次の街へと向かうサイクリング、からからと車輪が回る音がする。
溶けた雪の匂いが風とともに押し寄せる。
その三月は、空の海。
抜けるように青い空と、水辺に浮かぶ太陽。
喉の奥に突き抜ける涼しい風に、心はいたって心地いい。
太陽の光を照り変えす道路。
銀色の車体にはダイヤモンドのような光沢。
透き通った空気をかき分けながら、車体は進む。
空の海を目指して、それへ続く山へと向けて僕は疾駆した。
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