適当に美文を書き散らすだけ。文章練習帳

3/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
 薄桃色の花々は仄かに甘い吐息を吹いて。  風にさらされながら、一瞬の刹那を散っていく。  空は至って青く、白い靄がいくつかあるだけ。  空気は少し、厚かった。  肺一杯に空気を詰め込めば、なんとなく漂う淡い香り。  夜になれば、街灯が薄桃の花を照らすだろう。  燈明の如くなりと、誰かがきっと言うのだろう。  湧き出でる再生の季節。  ひらりと空を花粉雪が散っていく。  香りもやがて、消えていく。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!