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うわー徹底的すぎる……。もう神様たちの所業と言わざる得ない偶然の数々に、千歳は苦笑いをこぼす。
まずは食べ物を粗末にした罰で、食事へとでかけるための交通手段を遮断したようだ。
「それなら徒歩で行ける近場のお店でもよろしかったのでは」
「行くお店がなぜかその日だけ臨時休業だったり、前は営業していたのに休業だったりするの」
「ファミレスとかあるじゃないですか」
「行こうとすると、お客さんいっぱいでママが怒って出てっちゃう。空いていて注文が出来ても、またママがこんな安物食えるかって怒ってお店に迷惑かけて追い出されちゃう」
「コンビニでお弁当を買うとか、スーパーで惣菜を買うとかもできますよね。ファーストフード店でテイクアウトもできますよ。なんとか食べたいのならば、それもひとつの手段ですよね」
そこでメリィがまたわっと泣き出して、テーブルにつっぷした。
「だって。買ったお弁当とか惣菜に絶対になにかが入っているんだもん!」
「え、入っている?」
「髪の毛とか! 爪の欠片とか、虫とか!!! でも怒ってお店に持っていくと、なんにも入っていなくて、威力営業妨害だって警察呼ばれちゃうんだもん」
その現象は何故か。千歳はすぐにわかった。虫を食品に混入させる悪行をしていた罰が当たったのでは? その言い分だと、髪の毛も爪の欠片もいままでやっていたのか――と、やっぱり許せないと千歳の腸が再び煮えくりかえる。だが、それはもう神様もご承知だったのか。悪さをやり尽くしてきただろう母子にそっくりお返しをしたようだった。
「それで。どう食べてきたの、今日まで」
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