⑳両家に幸あれ

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 伊万里は食べるスピードは早いのだが、量的には姉の千歳が勝るため、義兄と義姉の桜子が始終唖然としていた。  朋重も隣に座って、マグロづくし丼を食べ始める。 「ちーちゃん、どう。おいしい?」 「んーー。おいしい!! しあわせ~。朋君と食べられてしあわせ~。お祖母ちゃまとお父さん、お母さん。浦和のお義父様、お義母様。それに、嬉しいな。長女の私に、お義兄様とお義姉様ができたの。みんなと一緒に食事もしあわせ~。伊万里には負けない! 福神様、ありがとーーー!!」  皆がしあわせそうな笑顔を揃えている席。  よき縁を結び、当家の世間への責任を果たす長子の使命をもって、千歳は朋重と夫婦になる。  式はもちろん神前式。華やかな朱色の打ち掛けが千歳の花嫁衣装。  これからも、神様と夫と一緒に、みなに幸が届くよう生きていきたい。 おーほほほ。本日は私も満腹、満腹。 さすが保食神さんが護ってる海と河の幸だわね。婿殿、褒めてつかわす! これにて、千歳の婿取りは完了、ご成婚である! 両家に幸あれ!(どどん!) 今日まで恋、明日から愛 第2話 食べる魔女の婿取り物語(政略結婚編 完結) ※ふたつめの恋、完了です 後に連載予定にしている別の恋物語で、再び荻野製菓をオフィスにした作品を予定しています。 またその時に千歳と朋重、伊万里が再登場します。 ※※コンテスト応募用に新しく書き下ろした部分があります。⑲~⑳話の『縁切り仕事』について追加しています。 ★スター特典のため、★1をくださった方からお読みいただけます。 【食べる魔女の縁切り仕事】 https://estar.jp/extra_novels/26058062 ※※※次回の北の恋・オムニバス…… 今日まで恋、明日から愛 第3話は『恋すれば孤独』 契約夫妻+愛人の物語 プロポーズは『跡取りを生んでくれ。君しかいない』だった……。 跡取り出産のためだけに妻になるお話 小樽が舞台。『花はひとりでいきてゆく』関連作となります。未読でもOK
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