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耀平と花南も案内してくれたテーブルについて、しばし歓談する。これまで工房と花南を通して『なんとなく顔見知り』だった四人が初めて向き合って会話をするが、ほんとうに初めてとは思えないほどに話が弾んだ。
「本日は結婚記念旅行ということでしたね。おめでとうございます。また大事な記念のお祝いに、当ホテルを選んでくださって御礼申し上げます。精一杯のおもてなしをさせていただきます」
最後は副社長の彼が丁寧な礼をしてくれる。
その隣に楚々と寄り添って、妻として美しく一礼をした花南は、もう立派な夫人で、そしてこの家の跡取り娘だった。
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