⑬うほうほウッホ🦍

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 さらに柚希はスマートフォンを操作して、動画アプリを立ち上げて、ひとつ再生させてみる。  そこには黒髪ショートカットのクールな女性が迷彩飛行服で滑走路近くに立っている動画だった。 『ユズ、元気かな。今度さ、ゴリマッチョを連れて帰るからよろしくな。ほら、ヒガシ』 『ユズちゃんお久しぶり~。今度の休暇は百花と一緒に札幌に行きます~。よろしくなー』 『今日はこれから、空挺団の男どもを落としまくってくるんだ』 『お姉さん、あいかわらずのドSだよ~。いっつも強い男を空から落とすのは快感とか言ってるんすよ。俺も落とされる一人でーす。ちっちゃいユズちゃんに久々に会えること楽しみでっす。兄ちゃん、お土産買っていくからね。ちなみにユズちゃんの手料理も楽しみでっす』 『おい。ユズに勝手に触った男はぶっ殺すと決めているからな。気易くすんなよ』 『わかってるわい。将来のかわいい妹かもしんないから、兄貴として言ったんだよ』 『それいま、いうなっつーの!!』  姉がちょっと赤面して焦って録画を切ったところで終わっていた。  つまり、そんなつもりで揃って帰省するというメッセージだったのだ。ちなみに父はまだ知らないらしい。妹にだけ知らせて、間を取り持って欲しいという連絡でもあったのだ。  という、姉からの動画レター。数日前に届いたものを、姉紹介として見せてみた。  姉は父と体格が似たのか、すらっと背が高く骨格がいい。本当は父も均等が取れていて太って見えることはないが、付けれるだけの筋肉があるのですらっと逞しく見える。姉もそれの女性版だった。  それを見た小柳母子がまた呆然としていた。
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