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「おう、柚希。先にちょっと邪魔をしているよ」
「お父さん、どうしたの」
休日でゆっくりめに起床したので、父はもう出勤していて姿はなかった。仕事をしているはずの父がそこにいて柚希は訝しむ。
「それでは、芹菜さん、また来ます」
「はい。広海にも許可をもらっておきますね」
なんの話をしていたのかな。そう思った。
「そうだわ。ユズちゃん、ネットでのお買い物したいから間違いがないか見てくれるかしら」
「はい……、いいですよ。あの父、どうしたんですか」
「うん。広海とユズちゃんの結婚式について、親側としてどうするかという話し合いに来てくださっていたの。ほら、親戚の数とか呼ぶ範囲とかあるでしょう」
「そうでしたか」
そこってまずは当人同士が話し合って親に相談するものだと思っていたので、柚希はちょっと不自然に感じたが、そんなものなのかなと首を傾げて流した。
これまで芹菜母は、インターネットを使っての買い物を怖がって敬遠していたが、一人でできることは挑戦したいと、ネットショッピングにネットスーパーを利用するチャレンジをはじめたのだ。
休日に柚希をそばに、お母さん専用として広海がセッティングしたパソコンで安全に買い物をする勉強をしている。
どんな暮らしにしていこうかと、これから主婦ふたりになることで、いろいろと相談をしているところでもあった。
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