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柚希と広海も顔を見合わせ微笑み合った。
「お姉ちゃん、良かったね。おめでとう」
「お姉さん、ヒガシさん。おめでとうございます。これからは姉と弟、兄と弟なのでよろしくお願いいたしますね」
「ヒガシお兄さん、これでやっと、兄と妹だね。ヒガシさんならお兄ちゃんになってほしいなって、私、お父さんにも話していたんだよ」
義妹と義弟になるふたりにも祝福されて、ついにヒガシ兄ちゃんも涙目に。
「ユズちゃん、ありがとう~。ユズちゃんに、広海君に、芹菜お母さんも大事にするよ、俺!」
「ユズ、姉ちゃんも安心したよ。改めて、ユズと広海君もおめでとう。芹菜お母さん、今後も、姉夫妻になる私たちもよろしくお願いいたします」
「もちろんよ。勇ましい親戚が増えて心強いわ。私ができることは限られるけれど、帰省したときは甘えてね。ヒガシ君も遠慮しないで遊びに来てね」
「嬉しいです。私も、また母ができるようで頼もしいです」
姉とヒガシ兄さんも、やっと明るい笑顔を揃えた。
「ということでな。いちおう、了承を得られたなら。第一候補の土地はこのあたりにしているんだ」
父がテーブルに差し出した不動産資料を皆で回して確認をする。
姉が先にその資料を眺める。
「うちの近所じゃん。公園にさらに近くなるね」
「そうなんだよ。それならいまの土地でもと思うんだが、取り壊すための金がかかること、リフォームするには二世帯という設計には小さすぎることもあって、売って新しい土地に建てるか、見合う中古物件をリフォームするかなど、いろいろ探したし、芹菜さんと散々相談したんだよ」
これにてやっと、二人が何度も会っていたことも理解できた。
さらにもうひとつ第一候補となった理由が芹菜母にあるらしい。
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