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「ほんと!? この前動いたって教えてくれた時はぼくわからなかった。すずちゃん、おなか触ってもいい?」
「うん、いいよ。あ、また動いた!」
「寿々花、ほんとか。俺もまだ感じたことがない。拓人の次は三佐な!」
拓人と将馬が揃ってベンチ下の芝生に身をかがめて近づいてきた。
ブランケットをはいだお腹を拓人に向けると、彼がそっと手を当てながら耳を近づけてきた。
「うっわ! なんか、なんか。ぽんって来た!! この前は感じなかったのに!!」
「ほんとに? たっくん! 外から感じるようになってきたんだね」
「わ、まただ! わかる!! ね、三佐も触ってみて」
「ほ、ほんとか。どれ、」
拓人から将馬の手を取って、寿々花のお腹へと誘ってくれた。
夫の手が丸くなったお腹の上に優しく乗った。
「あっ……。ほ、ほんとだ!」
「ね、ね。わかったよね、三佐も。あ、ちがう。赤ちゃんのパパだった。赤ちゃんパパ。やったね、三佐パパ!」
「拓人兄ちゃんの声もわかるんだな」
「ぼくより、きっと三佐パパの声が聞こえたんだよ。だって、ぼくより三佐が本当の家族だもん」
ぼくは本当の兄じゃないから、本当の家族である三佐の声で反応したんだよ。
拓人が自然に口にしたその言葉に、将馬の表情が一瞬だけ固まった。
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