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「千歳ちゃん、お招きありがとう。久しぶりの札幌なのよ~。お姑さんとうきうきしすぎちゃった。こもれびカフェがすごく楽しみすぎて」
「お洒落すぎて、婆ちゃんがゆっくりくつろぐのはちょっと気が引けていたんだよね。亜希子さんとミチルちゃんと一緒で、千歳ちゃんのお招きなら気兼ねなく楽しめそうで、安心してきちゃったんだよ~」
姑の亜希子も、大姑の富子も、喜びいっぱいの様子で荻野本社に来てくれた。
千歳はもちろん伊万里も手厚く迎え入れる。
「わ、伊万里君、スーツ姿も素敵ねえ」
「ほんと、ほんと!」
「ママさんにおばあちゃん、今日はテストキッチンに来てくれてありがとう。俺たちだけじゃ限界きちゃったもんだから、今日はおいしいタコの料理のコツがどんなものか、よろしくね」
すっかり漁村川端家のアイドルと化した伊万里は、亜希子ママと富子おばあちゃんのお気に入りで、二人のにこにこ笑顔を向けられて愛想良く対応してくれている。
「そうだ。今度、俺の畑に来てよ。甘いトマト狩りとかどう。川端のお嫁さんたちなら、好きなだけ収穫していいよ~」
「えー、それも素敵じゃないの! ねえねえ、お姑さん!」
「伊万里君の畑、あのおいしいジャムのトマトなんでしょ。遠いみたいだけど、婆ちゃんそれなら頑張って行く」
「俺、石狩まで車で行って、ちゃんと送り迎えするよ」
『もう伊万里君素敵!!』と、すっかり川端家お母さんのお気に入りになっているのだ。そんな伊万里も『めっちゃうまい飯をいっぱい食わせてくれるお母さんたち』なので大事に大事にしているというのもある。
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