5113人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、お母さん。海で宴会する夢とかみたことある?」
「まあ!! やっぱり、あなたって不思議な子ね!」
間髪入れずに声を上げた母に気圧され、千歳はまた唖然とさせられる。
さらに母が捲し立ててきた。
「そうなの。この前、不思議な夢を見たの。海の上で宴会をしていたの。私ったら、ウェディングドレスみたいに、白いドレス着ていたのよ。お父さんがいないところで、白いドレスを着て、誰かとお酒を飲んでいたなんて言えなくて! でもでも、どんな飲み友だちと一緒だったかは覚えていないの。夢でぼんやりしていて覚えてないの……。でも海の上。ほらね! あなたって不思議な子。子どものころから、そんなことよく言い当てていたもの。だから大丈夫。荻野らしい子を育てるわよ、あなたなら!!」
言葉を挟む間もなく、千歳は目が点になっている。
母が不思議なのか、自分が不思議なのか千歳はわからなくなってきた。
でも、母がそばにいれば安心とも思えた時でもあった。
摩訶不思議な母に、あの聖女がついているような気もしてきたからだ。
最初のコメントを投稿しよう!