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駐車場で義兄と義姉の車と、朋重の車へとお土産を分けた。
その時に義姉が入っているお肉のラベルがA5だと知って悲鳴のような声を上げた。
「うそでしょ。ほんとうに家族分入ってる! 私たち浦和長男家族の人数いつ知ったのかしら。私たち夫妻と子供ふたり、お義父さんとお義母さんの分とちゃんとあるわ」
荻野側のボックスも開けてみると、こちらも千歳の両親と祖母が食べる分が入っていた。
驚きはした義姉の桜子だったが、徐々に嬉しげに頬を染めた喜び顔になる。
「もう~! やっぱり荻野姉弟のおかげかしら。なんか、いつも凄いもの引き寄せてくれるものね! これ、子供たち喜ぶわよね。お義母さんも喜ぶわよね! ほんと、ありがとう。千歳ちゃん、伊万里君!」
桜子義姉がそこまで喜んでくれたので、千歳もつわりをおして来た甲斐があったと思えたし、菜々子義母がお土産を喜んでくれるなら、なお嬉しい。
秀重義兄も、伊万里と千歳に頭を下げてくれる。
「ほんとうに丸く収めてくれて助かったよ。あの社長とあんなに親しげになれるだなんて。ありがとう、千歳さん、伊万里君。君たちと兄弟になれて、心強い親族であったことを幸せに思ったよ」
改めて、義兄と義姉が夫妻で一礼をしてくれた。
「そんな。俺、めっちゃ食べられて満足だっただけなのに。それに、秀重兄さんが今回、品評会に来るきっかけをくださって、俺もすごく勉強になりました。これからは姉にばかり任せていないで、俺も積極的に外の業者さんと交流したいなと思えましたから」
「私もです。荻野が出向いている品評会とはまた異なる業者さんとお話ができて参考になりました。お義兄様とお義姉様がそばにいて安心して参加できました。ありがとうございました」
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