⑩長子三代の目利き

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 そうだ。ご加護様がここに揃っているいま。長子三代が待つここに、ご家族で無事に到着できるかどうか。伊万里のお迎えが無事に終えられるかどうかだ。  朋重も『千歳のマンションで過ごすことができた最初の一晩』を思い出したのか、長谷川家がここで試されていることを知り、神妙な面持ちに変わった。  でも、こんな時でも母は、父に寄り添って柔らかににっこりと微笑んでいるだけ。  荻野長子三代、伊万里が選んだ女性とご家族が到着することを願って待っている。
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