⑫信じてないよ

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 まだ珈琲も召し上がっていないのに、長谷川社長はもう雰囲気だけで気分が良くなったようだった。  そんな社長が、向かい側に朋重と並んで座っている千歳へと視線をむけてくる。 「もしかしてさあ、こういうこと? さっき、朋重君が『ご縁がない』と言っていただろう。ああいうことが千歳ちゃんといると起きるってこと?」  少しだけ、気難しい社長さんにも通じてきた?  不思議な一族、荻野の長子からもたらすものがなにか――。
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