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いつからそこにいたのだろうか。広海がいる場所と柚希が立っている廊下は繋がっているので、彼がむこうから『俺も聞いていたよ』という仕草と笑顔を一瞬見せてくれた。見せたと思ったら、今度は彼がドアを開けてキッチンへと入っていく。
妹の夫、二人にとっては義弟になる広海が突然入ってきたので驚いていた。
そして広海が落ち着いた笑顔で言い放つ。
「お義姉さん。辞めたら駄目ですよ。絶対に――」
広海の余裕の微笑みが頼もしいのに、なにをどうするつもりなのか柚希にはわからなくて、まだ心は落ち着かない。
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